「ランウェイで笑って」のこのシーンから
みなさん知ってます?
あまりマンガは読まない方も、ファッション好きなら必見でしょう。
「ランウェイで笑って」というパリコレを目指すモデルが主人公のマンガです。
このマンガを読んでいて出てきたシーン。
それがこちら。
「えっ!ファッションショーのステージ裏ではモデルは裸なの?!」なんてビックリした方もいらっしゃるでしょう。
そうなんです。スッポンポンに近い状態(厳密に言えばパンツ一丁)で服を着替えるのはモデルでは当たり前。
それはメンズでもレディースでも一緒。
これ、「ファッションショーのあるある」なんですねぇ。
ちょっと今回は、この「ファッションショーのステージ裏ではモデルは裸!な説。」を掘り下げてみましょう。
ちなみに僕はロンドンファッションウィークを毎シーズン取材しています。
トータルで200以上の会場に足を運んでいるはず。
それにショーのステージだけでなく、ステージ裏であるバックステージも撮影のために立ち入ることもあります。
なので、このマンガに出てきたシーンをより詳しく解説してみようと思います。
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ファッションショーの服装ってどうすればいい?バイヤーの着こなし in ロンドンコレクション
モデルは着替える時「裸だ!」
結論から言えば、マンガ通り着替える時は裸です!
「ランウェイで笑って」のシーンで出てくるように、ショーが始まる前にフィッティングと呼ばれる着用チェックをしているところ。
まぁ、簡単に言えばショーに出る際の服に着替えて、問題などがないかチェックする作業です。
その時、男性も女性も基本的にモデルはパンツ一丁がベース。
そこにブランドの新作コレクションの服を着用するというのが常識となっています。
それにわざわざ試着室なんて行って着替えたりしない。
ヘアメイクや服の最終仕上げをしている横で、堂々と着替えるのです。
逆に僕を含め、ファッションショーの関係者や取材を行っている人たちからすると当然の景色。
誰もビックリしないし、それが普通だよね。という感覚です。
なので、今回の「ランウェイで笑って」のシーンを見て、
あたらめて「あっ、一般の人からするとみんなの前で裸で着替えるのってビックリすることなんだ」と気付きました。
ある意味感覚が麻痺しているんですねぇ。
なぜ大勢の前で裸になるの?
「でも、なぜみんなの前で裸になる必要があるの??」
と疑問に感じますよね?
答えとしては忙しいから!
ファッションショーの会場では、とにかく準備に忙しい。
モデルはヘアメイクを時間までに終えなければならないし、着用する服のチェックも実際に着て行います。
その合間にリハーサルをして、、、。
と、とにかくみんなバタバタしている空間です。
そこに、試着室を用意して、順番待ちして、、、。
試着室まで服を持っていて、着替えて、、、。
とやっていたら時間がない!
なので、その場で着替えることが普通になっています。
そして、もうひとつ。
モデルは早着替えが必要だから!
よくファッションショーを見ていたら、同じモデルが違う服に着替えて何度も登場することに気づくと思います。
大体、平均して1人のモデルで2〜3着ぐらい担当するのかな。
なので、ステージの裏でモデルは服を着替えているんです。
でもこれがすごい早着替えをしないと間に合わない!
試着室なんて行っている暇なんてないほど。
なので必然的にみんなの前で着替える必要性が出てくるんです。
関連記事: 【完全攻略】ロンドンファッションウィークって何?誰でも参加できるの?毎シーズン参加の僕が解説
モデルは平気なの?
「みんなの前で裸になって着替えるとか、恥ずかしくないの?」
なんて感じるかもしれません。
でも昔からファッションショーモデルとしては当然の仕事。
プロのモデルほど、何の迷いもなくパパッと着替えていますよ。
ただ、最近の傾向ではモデルに配慮して別室で着替えを行ったり、パーテーションをつけたりする会場もあります。
ニューヨークはモデルへの配慮が進んでいるのかな?ロンドンも同じようにモデルへの配慮が今後も進むでしょう。
その方がモデルにとっても、取材でバックステージに入るメディアにとっても仕事がしやすいですからね。
ジロジロ見る人いないの?
これに関しては「暗黙のルールとして無い!」と言えるでしょう。
ファッションショーが始まる前のピリピリとした現場で、そんなふざけた人は誰もいませんねぇ。
それに、ファッションショーを普段から仕事としている人たちからすると「モデルが裸」という光景はごく普通。
僕も取材でバックステージの写真撮影をしますが、モデルが堂々と着替えていても何も驚かないし、何も感じないのが正直なところです。
それに、いくらモデルが平気だったとしても、男性陣はモラルの観点から極力見ないようにしています。
それがショーの裏側の「暗黙のルール」となっています。
ただ、やっぱり別室で着替える習慣が広がったり、パーテーションで仕切るなどの配慮があれば男性側も仕事がやりやすくなります。
仮にモデルが気にしていなくても、やっぱり人がたくさん居る前で着替えるシチュエーションって無い方がいいですからね。
もちろんある程度の配慮はあるよ
ファッションショーの裏側ではモデルが裸で着替えるのは当たり前だ!と言う雰囲気がまだまだ残るファッションショーですが、、、とは言っても、それに対して配慮はもともとあります。
当然ですが、写真を撮ったらダメですよ。
ヘアメイクをしているところ、着替えてスタイリングをしているところなどはバシバシ撮影しますが、着替えているところの撮影はNGです。
これは当然ですよね。
それに、ある程度準備に余裕があるブランドなどであれば、モデルは一斉に着替えさせるために関係者を一旦ステージ裏から退場させるなど配慮をすることもあります。
どちらにせよ、モデルに対しての気遣いはちゃんとあります。
これからパリコレモデルを目指すぞ!なんて方は安心してください。
展示会場でもメンズバイヤーが似たようなことに
あとちょっと余談というか、「男性バイヤーあるある」もご紹介。
ブランドの展示会などでも同じような「人前で着替える行為」が頻繁に行われることもあります。
展示会ではバイヤーがオーダーする商品を吟味する場所ですが、基本的にメンズファッションって試着することが大切なんです。
バイヤーも自分で着てみて、シルエットやサイズ感を把握しながらオーダーをつけていきます。
なので、ブランドのコレクションを隅から隅まで試着することもあるんです。
そんな時にいちいち試着室に入っていたら時間がかかり過ぎる。
そして何が起こるかというと、男性バイヤーが展示会場で周りを気にせず着替えはじめるんです。
それも、数人のバイヤーの訪問が重なった賑やかな展示会場であれば、それぞれのバイヤーによる試着大会となるんです。
みんなズボンをズラして、人前で試着している光景ってなかなかシュールですよ。
もちろん、女性スタッフがいてもお構いなし。
男性のバイヤーさんなら心当たりがあるシチュエーションではないでしょうか。
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結論:試着室は時間のムダ?
ファッション業界の忙しい人となると、試着室なんて時間のムダ。
自分が着替えたいと思ったら、今いる場所が試着室となるんです。
周りの人?それは周りの人が見なければ済む事でしょ。w
モデルだって「自分が着替えるんだから、周りは目を閉じておけ」ぐらいの気持ちが大切。
ちょっと強引な結論ですが、ファッションショーの裏側では「モデルは裸である」説は本当です。
そして、みんなステージ裏で必死に早着替えしています。
モデルはみんなクールな表情をしてステージを歩いていますが、裏ではすごい早着替えが行われているんだ!
と思うと、ファッションショーを見る側はもっと楽しめるはず。
そして、モデルへの配慮も広がりつつあります。別室で着替えるだけで解決することなので、全てのファッションショーで義務づけてもいいかもしれませんね。
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ライター:高嶋一行(Kazuyuki Takashima)
tokyosamplesale.com運営者。
現在、ロンドンファッションウィークを中心としたファッション取材記事を執筆しています。
ロンドンコレクションでは累計200以上の会場に足を運んだ経験あり。
ファッション業界の働き方の提案やロンドンファッションについてご紹介しています。
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