若者が消費される!
当サイト「tokyosamplesale.com」の運営者である高嶋一行(@tokyosamplesale)です。
少し前ですが、こんな記事とツイッターが流れて来ました。
ロンドンファッションウィークの取材もよく行っているので、割と身近に感じることでした。
そして共感しました。
ファッション業界は、若手デザイナーを消費するのをやめよ|「若手デザイナーが実験と失敗を経験できる余地を与える。これこそが、わたしたちの推進していくべき支援の形なのではないだろうか?」 https://t.co/nMX4N8CeY2 pic.twitter.com/XTEYfq3ppf
— i-D Japan (@i_D_JAPAN) 2018年7月3日
簡単に説明をすると、メディアやファッションビジネスをする人たちが若手デザイナーに注目。
そして若手デザイナーを持ち上げ、世界に売り込み。
そこでメディアやファッションビジネスをする人たちは儲けて、また新しい若手デザイナーにフォーカスする。
若手デザイナーの使い捨てのような風潮になって来ているんじゃないの?
ということです。
僕はこれを読んだ時に同じような感覚がデザインの学生でも当てはまるな。と感じました。
ファッションビジネスどころか社会人としても経験がまだまだ乏しい学生が、実は消費されているんじゃないの?
という話です。
僕は専門学校生の時、企業に利用された
そう感じた大きな理由がひとつあって、それが専門学生の頃の実体験です。
僕はファッションの専門学生だった頃にある企業にうまく利用された経験があります。
当時は専門学校生で年齢も20前後。
貪欲にデザイナーになりたい!という気持ちで頑張っていた中での出来事。
社会経験も乏しい中で何の抵抗もできなかった悔しい気持ちだけ、にが〜く思い出として残っているんです。
そんなエピソードは以下の通り。
学校と企業がタイアップしたコンペ
「デザインコンペ」って知っています?
自分がデザインした創作的な服を作って、審査員がいて、評価を競うコンペティションやコンクールといったもの。
ファッションの専門学校に行っていた人なら分かると思いますが、デザインを学ぶ学生を対象にしたコンペってたくさんあるんです。
そして、そんなコンペに学生のほとんどが応募。
規模が大きくて副賞としてパリ留学がもらえるものから、企業のPRも兼ねた規模の小さいコンペまでいろいろあります。
大賞を取ったりなんかしたら、雑誌などのメディアでも紹介されるのでヒーロー扱い。
デザイナーになる夢に1歩でも2歩でも近づけるというもの。
僕もたくさんのコンペに応募していましたよ。そしてコンペに落ちまくる生活を送っていました。笑
そんなコンペの中でも勝てる!と思ったコンペがありました。
それが「専門学校とセレクトショップがタイアップして行うコンペ」でした。
なぜ「勝てる!」と思ったかというと、応募する人が通っている専門学校の学生だけだから。
まずライバルとなる分母の数が小さい。学校の中でなら勝てるだろうと自信がありました。
しかも大賞となれば大賞となったデザインがセレクトショップで商品化されることに。
デザイナーを目指す学生にとってそんな名誉あることはないですよね。
なのでワクワクしながら応募。
プレゼンや書類選考の後、見事に最終候補の4人に選ばれることとなりました。
見事大賞!でもその後、、、
専門学校と企業がタイアップする企画なので、もちろんですが専門学校も企業も宣伝効果を狙っています。
なので、専門学校が力を入れる夏のイベントに合わせて審査を兼ねたショーを行ったりをしました。
企業側はたくさんの専門学校生やその関係者、その他会場に集まった人たちにショップを宣伝。
専門学校も学生に商品化されるというチャンスが掴めることアピールし、学校としての価値を宣伝。
大きな規模で行われたショーを終えて、審査発表。
見事、僕は大賞を頂きました。
「よし!自分のデザインした服が商品化される!」
徹夜で寝不足になりながら頑張って制作した努力が報われた日でした。
が、
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、
、
、
、
、
結果を言うと商品化なんてされなかったんです。
コンペのイベントが終わった後は、セレクトショップの企業からは連絡が一切ナシ。
こちらから連絡を取り、商品化に必要であろうデザインの型紙や仕様書などを送っても担当者との連絡は途絶えたまま。
さらに、専門学校側の担当者も他人事のように力を貸してくれることありませんでした。
僕は学校と企業の宣伝活動に利用されただけ。でコンペは終了しました。
文句ひとつも言えなかった自分
今から冷静に考えると、最初から商品化する予定はなかったのかな〜と感じています。
いくら大賞をとったデザインでも、それが売れる商品かどうか分かりません。
今の僕から見ても、当時のデザインした服の完成度からすると商品化は厳しいかもなぁ、、、といった感じ。
なので、企業側も「商品化をする」と宣言していても、その覚悟はなかったんだと思います。
でも約束は約束。
もっといろいろな方法で文句や抗議をすることはできたはずですが、当時の僕は落ち込むだけで何もしなかった。
そう!学校と企業に利用されただけ。。。
油断したら社会や企業に消費されてしまう
と、いう感じで若者が企業に消費される実体験を紹介しましたが、学生は油断したら企業に消費されてしまうんです。
社会人としての知識も知恵も備わっていないから、利用されやすいことも要因です。
例えば、
やっとの思いで就職したブランドで、すごい安い給料で働かされたり。
インターンで入社した会社で満足いく職務経験をさせてもらえなかったり。(あっ、僕のインターン先は最高に良い経験をさせてもらいました)
そうそう、「デザインの発表の場」として高い参加費をとって学生さんのファッションショーを企画しているイベント会社もあった。あれも学生を消費しているよ。
予定していたゲストも来ない。
ファッション関係者が見に来るという売り文句でありながら当日にそんな人はいない。
ショーをやり切った達成感でいろいろと誤魔化されてたなぁ。
イベント会社はうまく学生を騙していた気がします。
そんな風に、油断しているとファッション業界を目指す学生は消費されるんです。
現実、僕自身が消費されまくっていたように。
だから、逆にうまく利用しよう!
じゃー予防法はないの??
という方へ。
逆に学生が企業や社会を利用してやればいいんです!
将来の自分のキャリアアップのために、学生という立場を使ってトコトン企業側を利用しちゃいましょう。
自分のキャリアの踏み台にする
ちょっと言い方は悪いですが、それぐらいがちょうどいいんです。
自分のこれからのキャリアのために、企業は踏み台にしましょう。
インターンに参加したのなら「ここのブランドでインターンとして働いた経験があります!」と声を大きくアピールする。
ブランド名をうまく利用して、自分の名前を売るんです。
もちろん、そんなやり方は嫌、、、なんて感じる人もいるでしょう。
でも、スキルの良し悪しがあまりはっきりしないファッション業界では「どこで働いていたか」や「どんなブランドと関わりがあったか」などは結構参考にされます。
ある意味、それが判断材料になったりもするから。
だから、自分に関係を持った企業やブランド名は使えるだけ使わせてもらいましょう!
将来役立つ経験を掴む
それと、たくさんの経験を掴みましょう。
インターンでは給料がもらえないことが当たり前ですよね。
それなら貪欲に「この仕事も任せてください!」「これもやります!」とたくさんのことを経験しましょう。
学生のうちは、ちょっとぐらい失敗しても許してもらえるから。
なので、将来に役立つような経験はたくさんする!
企業やブランドを利用して、自分がしたい経験をやらせてもらいましょう。
そして、学生のためになる経験をさせてもらえないインターンだったら、すぐに辞めましょう。
時間のムダ!次のインターン先を探す方が良いです。
利用できるものは全て利用する!
企業が学生を消費してくるなら、学生側も利用できるものは利用する!
それぐらいの大きな気持ちで学生時代を過ごせたら、自分の将来ってすごく楽しいものになるはず。
僕が学生の頃は企業に消費されまくりだったけれど、これからの学生さんは賢く企業を利用して欲しい。
利用できるものは利用する!それぐらい貪欲な学生さんは魅力的に見えると思います。
あと、おまけ!
「利用できるものは利用すべき!」の繋がりとしてこの記事もオススメです。
税金を使ってパリコレに参加できる支援やコンペをまとめています。
税金だって利用できるなら利用したいですもんね!
関連記事: バイヤーへ売り込め!パリコレに参加できる支援やコンペまとめ
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ライター:高嶋一行(Kazuyuki Takashima)
tokyosamplesale.com運営者。
現在、ロンドンファッションウィークを中心としたファッション取材記事を執筆しています。
ロンドンコレクションでは累計200以上の会場に足を運んだ経験あり。
ファッション業界の働き方の提案やロンドンファッションについてご紹介しています。
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