針混入は細心の注意が必要!
これは、2018年に出たマンガ「ランウェイで笑って」の4巻より。
すごい怒ってますね。
それもそのはず、オーダーメイドで作ったコートに針が残っていたんです。
このまま納品すると、当然ですが大問題となります。
何が大問題かというと、針が混入していることで服を着た人がケガをする恐れがあるから。
針が体に刺さったら大ケガをすることもありますから。
とにかくアパレル業界で最も気をつけないといけないことは、針の混入をしないこと!
飲食業の人が食中毒に気をつけるように。
運転手さんが交通事故に気をつけるように。
アパレル業界の人は針の混入が無いように気をつけないといけません。
ホント!万全の対策をし過ぎるくらいが丁度いい。それぐらい気をつけないと、、、な話なんです。
実際に起きた事故あれこれ
ただ、どれだけ気をつけていても、問題は起こるもので。
僕がアパレル業界で働き出してから数回ほど、商品に針の混入があったことで対応に追われたことがあります。
本当は起きてはいけない針の混入。それでも起きてしまって見つかる針、、、。
そのエピソードをご紹介しましょう。
試着時にグサり、、、
まず最初はアパレルの卸売の仕事の際に。
生産されたコートを納品したショップで起こりました。
なんと、お客さんが試着中にコートから針が発見されたんです。
出てきたのは、袖の付け根のところ。(通称アームホールと言います。)
詳しくはわかりませんが、試着したときに「イテッ」となったんでしょうね。
脇あたりにチクチクした感覚があったのか、またはグサリときたのか。
実は、袖と本体を縫い合わせる時って、立体感が必要なのでマチ針でしっかりと固定しながら縫うんです。
なので気をつけないとマチ針が残ってしまうというワケ。
生産する工場などでは、作業の開始時と終わり時に自分が使用するマチ針の数を数えて紛失を防ぐなど、針の混入を防ぐルールはたくさんあります。
それでも不思議と起こってしまうのが針の混入なんですね。
その後は、お客様とショップの方に謝罪をしまして何とか許して頂きましたが、自分の試着時に針の混入があったら気分が良いものではないので、本当にあってはならないミスなんですよねぇ。
量産品で発生し商品回収
それともう1点。
インポートブランドの商品をショップを納品した後に、1件のショップから電話が。
内容は「マチ針が襟部分から見つかった」ということでした。
幸いにもお客さんではなくショップの方が見つけてくださったので大きな問題にはならなかったのですが、これも問題ですよね。
やるべき対応としては急いで同じ商品を納品している他のお店に電話をして、針の混入がないかを確認してもらう作業でした。
結果、他のショップでもいくつか針が見つかるなど同じ商品からたくさんの針が出てきてしまったことがあります。
そこで対象商品を全品回収して全ての検針を行うことに。これは本当に大変でしたが、商品として販売される前に発覚して良かったと言える出来事です。
国内の工場であれば針の管理などはある程度しっかりしている部分がありますが、海外がどれだけ気をつけているか未知数。
なのでインポートブランドこそしっかりと針の混入チェックはしないとダメ!ということを学びました。
日本国内でも気をつけることは同じですが、警戒度を上げておくべきですねぇ。
大手セレクトショップはコンベアー式の検針が必須
そんな風に、どれだけ気をつけても針の混入という出来事はどこかで起こってしまうことがあります。
そこで、無くならない針の混入に対して大手のセレクトショップなどでは対策が取られています。
納品される商品は全てコンベアー式の検針器を通すこと
そんな決まりに数年前に決まったはず。
その当時は一部のセレクトショップだけでしたが、徐々に増えてきていたイメージ。
今ではほとんどのセレクトショップがコンベアー式の検針器を通した商品のみ受け取りを行い、証明書のような書類が必要な場合もあるほど。
それぐらい厳重にしないと無くならないのが針の混入なんです。
ちなみにコンベアー式の検針器とはこんなもの。
コンベアーを通過した時点で金属探知が反応して針の有り無しをチェックする仕組みです。
もちろん、かなり高価なもので、70〜100万円ほどします。
なのでレンタルをするメーカーも多いのが現状。
たくさん納品する工場なら今では必須です。
これが無いと大手のセレクトショップに納品できませんからね。
検針はハンディ検針器もあるよ
レンタルしても、コンベアー式はちょっと高い!
納品は大手のセレクトショップではなく小さなショップが多いから、もっと手軽に検針したい!
そんなメーカーや作り手の方もいらっしゃると思いますので、ついでにここでご紹介。
コンベアー式よりも手軽な検針器ってあるんです。
僕が会社勤めをしていた時に倉庫で利用していたのがコレ。
卓上の検針器であり、この上に商品を乗せることで針の有無を判断します。
もちろんコンベアー式よりも簡易なものになってしまいますが、Tシャツなどの軽い衣類から小物などなら十分に使えます。
そもそも検針器使う目的は念には念を入れること。
なので全く検針器を持っていないメーカーや倉庫の設備なら1台は持っていて損はないはず。
それで事前に問題を防げるなら安いもんです。
お値段は15万円ほどが相場だと思います。
それでも高い!
そう思う気持ちも分かります。
個人で生産されている方など、卓上の検針器でも高いでしょう。
そんな方に、もっともっと簡易な検針器はあるんです!
値段も5000円以下!安い!
それがこちらです。
仕上がった商品に当てることで金属探知を行います。
よっぽどの厚手の物でなければ針の混入を知らせてくれます。
欠点は面積が小さいので、服の全体をチェックしようとすると時間がかかることでしょうか。
実際に使ってみた実験レビューが動画でアップされていますのでこちらもご紹介しておきましょう。
相当の厚手のものはダメかもしれませんが、薄手なら大丈夫そう。
もちろんコンベアー検針器がベストですが「念には念を」と考えるなら5000円以下は安い。
もし購入品に針が入っていたら?
そして逆に自分がお客さんの立場で針の混入に出会ってしまったら?
スグに購入したお店に連絡を入れるようにしましょう。
自分が買った商品に対して対応してもらうことはもちろん、もしかすると同じ工場で作られた他の商品にも混入しているかもしれません。
お店側がスグに調べるなど対応をするためにも、連絡をすることは重要でしょう。
中には「あれ?針が入ってた、、、ポイ!」と捨てて終わり、、、。なんて方がいますがお店のためにも連絡しましょう。
クレームというよりも、針を見つけた事実を淡々と説明することがお店のスタッフさん側からすると助かるなぁと思います。
本当は起こってはいけないことなんですが、どれだけ気をつけていてもゼロにはできない針の混入問題なんです。
なので自分に起こった際は再発防止のためにもお店に報告!コレ大切!
これね!アパレル業界で針の混入はほんっっとうにダメなんです。
飲食業でいう食中毒。
ドライバーでいう交通事故。この場面を読んで、あたらめて背筋が伸びました。
「検針は念には念を」が本当に大切。猪ノ谷言葉 の ランウェイで笑って(4)
https://t.co/pXYDKnehg1 pic.twitter.com/H1IEWlWo5h— 高嶋一行🇬🇧tokyosamplesale (@tokyosamplesale) 2018年3月30日
↓こんな記事も書いています。
【アパレルで本社勤務したい!】OEMの会社で働くと将来的に得をするメリットを紹介するよ
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ライター:高嶋一行(Kazuyuki Takashima)
tokyosamplesale.com運営者。
現在、ロンドンファッションウィークを中心としたファッション取材記事を執筆しています。
ロンドンコレクションでは累計200以上の会場に足を運んだ経験あり。
ファッション業界の働き方の提案やロンドンファッションについてご紹介しています。
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