「社割」って何??
当サイト「tokyosamplesale.com」の運営者である高嶋一行(@tokyosamplesale)です。
アパレル業界でよく聞く言葉「社割」ですが、これって一体なに?
実は社割だけでなく、「社販」とか「個人買い」なんて呼び方をします。
言い方は違っても全て同じ意味だと思ってください。
そして結論から先に言うと自社の取り扱う服を安く購入できる特典です。
そうなんです!
社割は服が安く買えるアパレル業界ならではの嬉しいシステムなんです。
「社割があるからアパレル業界で働き続けられる」なんて人も多いですよ。
社割がある意味は?
好きなブランドの服が無条件で安く購入できるなら嬉しいけれど、ではどうして社割をする意味があるのでしょうか?
以下の3つの理由でアパレルメーカーやセレクトショップなどは社員へ割引価格で自社の服を提供するんです。
販売スタッフの制服
社割がある最大の理由はコレ!
ショップの販売員がお店に立つ際、絶対に着る服が必要ですよね。
それもショップが扱う商品であり、できるだけ最新の商品をスタッフが着ていれば売上にも繋がります。
よくショップスタッフは歩くマネキンと言われる意味も、着用していると紹介しやすいからです。
もちろんショップ側からすれば制服として支給する方法もあるのですが、着まわしをするなら最低でも3着や5着などたくさんの服が必要になります。が、1人に対して3着や5着などを制服として支給する余裕はありません。
中には制服支給を行うブランドもありますが、シーズンに1着だけなど制限がある場合も多いです。
なので自動的にスタッフは自腹にて店頭で着る服を購入しないといけないのです。
自腹で仕事着を購入するとなると、定価で買うお財布事情として結構キツイ、、、。
そこで社割の登場です。
定価にはショップの利益が含まれていますが、スタッフの仕事着なら利益を差し引いた仕入れ値に近い値段で提供すれば十分です。
なので、本来、必要な仕事着を買う意味で、仕入れ値に近い値段で提供されるために社割が存在します。
働くスタッフへのサービス
もうひとつの社割のメリット。
それがアパレル企業で働くスタッフへのサービスです。
アパレル業界で働く1番のメリットって、やっぱり服が安く購入できることなんですよ。
焼肉屋さんで働いていたら、安く焼肉が食べられますよね?
お寿司屋さんで働いていたら、お寿司が安く食べられるはず。
もしくは、賄いとしてならタダで食べれることもあるでしょう。
飲食業の賄いみたいな物で、アパレル業界では服が安く購入できることが特典なんです。
しかもバーゲンなどを待たずに新作が最終値下げバーゲン価格で購入できるところが1番嬉しい。
好きなブランドで働いていると、毎シーズン思わずたくさん買ってしまったりしますよ。
自分が社割で頼んだ新しい服が届く度に「アパレルの仕事していて良かったなぁ」と感じる瞬間でもあります。
なのでみんな好きなブランド、好きなファッションの企業やショップで働くことが常識化しています。
興味のないブランドの商品だったら、社割でどれだけ安くなっても買いたくないですからね。
SPONSORED LINK
コスト・仕入れ・生産の安定のため
最後の社割が存在する理由が、ちょっと事務的な理由です。
それが「コスト・仕入れ・生産の安定のため」。
服でも電化製品でも何でも、生産数を増やしたら1点あたりに掛かるコストは低くなりますよね。
10点作るより100点作った方が効率よく生産できて1点ずつより安く生産できるようになります。
なので、服を生産する時も工賃を抑えるために、よりたくさんの数量を生産したいのが本音です。
10点より20点、20点よりも30点。
たくさん生産すれば1点あたりの原価を低く抑えることができます。
そこで、少しでも生産数量を増やすために社割があるんです。
働くスタッフのみんなから社割として注文を集めたら、それなりの数量になります。
1人が各5点を社割で購入したとすると、10人のスタッフで50点。100人のスタッフがいる企業なら500点も生産数が増えるんです。
この数量がプラスされることは、規模の小さいブランドほど嬉しいこと。
生産する際の1点あたりのコストが抑えられるだけでなく、生産を依頼する工場にも「数量が少なくてごめんなさい、、」みたいな気を使うこともありません。
なので社割がある役割として、より生産を安定させるために全体の生産数量を多くする働きもあるんです。
以上3つの役割があることからアパレル業界の社割は毎シーズン行われているんですね。
でも安くなるなら、一体どれぐらい割引してもらえるのでしょうか?
社割の仕組み
繰り返しますが、社割はアパレル業界で働く人たちが、自分の会社やショップで取り扱うブランドや商品を安く購入できる特典です。
普段、お店で購入する定価の値段から最低でも半額、安いところなら8割引で購入できます。
服が好きな人にとっては夢のような話ですよね。
でも、実は働くアパレル企業によって社割でどれぐらい安くなるかが違っています。
もちろんそれぞれアパレル会社によって違いがありますが、経験上では大きく分けて以下の3つの社割スタイルがあると考えています。
セレクトショップの場合
まずはセレクトショップの場合。
セレクトショップはたくさんのブランドから買い付けをしてお店を展開しています。
なのでブランドからの仕入れ値が社割の価格を決める基準となります。
一般的にはセレクトショップがブランドから商品を入荷する際の値段は定価の60%ほど。
中には定価から55%や50%の値段で入荷することもありますが、基準としては60%です。
これは定価1万円でセレクトショップにて売られている商品は、仕入れ値は6000円になる計算です。
社割は仕入れ値ぐらいの値段で購入できるシステムが一般的です。
この基準から社割を決めるとすると、大体は定価から60%ほどの価格でスタッフは購入できることになります。
定価が1万円の商品だとスタッフなら6000円で購入できる計算ですね。
もちろん、この他にもセレクトショップがオリジナルで展開する商品があれば、入荷する価格を安くできるので、もっと社割も安くなるはず。
直営店の場合
次にブランドの直営店の場合。
直営店であれば自社で生産した商品やブランドをそのままショップに並べて販売するスタイルです。
ということは、仕入れ価格は自社生産なのでセレクトショップよりも安く抑えられます。
これも一般的な割合で考えると定価の20%や30%ほど。
なので社割でも定価の30%の価格で購入できることになります。
分かりやすく言うと、社割なら1万円の商品がわずが2000円や3000円で購入できるんですね。
これは安い!と思いませんか?
よくショッピングモールなどで見るブランドの直営店などの社割はこのスタイルが基本。
ショップスタッフの方はみんな毎日オシャレをして店頭に立っていますが社割で安く購入しているからなんですね。
ブランドやメーカーの場合
ショップだけでなくブランドで働く方やアパレルメーカーに勤務する方も上記の直営店と同じように社割なら定価の30%ほどの値段で購入することができます。
ただ、インポートブランドを扱う企業の場合は少し例外が多いです。
その理由が輸送コストや関税などの金額も考慮されること。
なのでインポートブランドを輸入をしてセレクトショップへ卸す業態のアパレルメーカーや輸入代理店などであれば、社割の金額も少し高め。
定価の50%や60%の値段で社割が提供されることが多いです。
1万円の定価に対して5000円や6000円ほどの価格が社割の値段となります。
それでも十分安い価格で購入できるので嬉しい特典ですよね。
社割の注意点
これだけお得にファッションアイテムを購入できる社割のシステム。
自分の好きなブランドが安く購入できるなら、思わずたくさん買ってしまいそうです。
が、実はそこに落とし穴があったりするんです。
単純ですが、安く購入できることが原因でたくさん買い過ぎてしまうケースがあるんです。
「自分は大丈夫」と思っている人でも、思わず買い過ぎてしまうから社割は不思議。
本当に気をつけましょう。
社割って、自分の買い物分をその場で払う場合もありますが、会社によっては給料から天引きされるスタイルから、自分が支払えるタイミングまで待ってくれるところもあるんです。
すごく便利で助かるシステムなんですが、明らかに買い過ぎの原因を作ってしまうんです。
なので現実問題として、たくさんのアパレル業界の人たちが社割で買い過ぎてお金が無い状態になっていたりします。
もちろん、僕もそのうちの1人でした。
社割での失敗エピソード
僕の場合は社割で買ったものに関しては、
・給料からの天引き
・会社にツケができて、払えるタイミングに払う
という両方のスタイルで管理されていました。
当然ですが、普通に暮らしていても給料が安いアパレルの仕事だったので、給料からの天引きは避けて後から払っていました。
最初は問題なく管理ができていたのですが、少しづつ少しづつ会社へのツケが溜まっていって、、、。
最終的に社割で60万円の借金が会社にありました。
もうこれは笑えないレベルの金額になってしまった、、、。
ということで、必死に社割で溜まった借金を返していましたよ。
その時のエピソードを紹介した記事もアップしています。
関連記事: 【アパレル業界で借金60万!】社販で溜まった借金を返済した実体験を紹介するよ
今から言えることは「本当に返済するのに苦労した!」ということ。
僕だけでなく周りのスタッフも同じように会社への借金が増えていたので、社割って金銭感覚を狂わせてる怖いシステムでもあるんです。
これからアパレル業界で働く人たちはくれぐれも注意してください!
社員以外が社割で購入する方法は?
でも社割ってそれだけ安く購入できるからいいよね〜。と、羨ましく思っている、あなた!
実はアパレル業界で働いていなくても社割と同じような価格で購入できる裏ワザがあるです。
好きなブランドの新作商品が割引価格で購入できるならすごく嬉しくないですか?
その方法がブランドが行う展示会に足を運ぶことです。
展示会というのは、セレクトショップのバイヤー向けに行われる受注会です。
バイヤーは卸値でブランドの商品を発注するために来る場所なので、展示会場では卸値で全て取引される場所なんですよね。
そして、どのブランドでも友人や関係者に向けて「個人買い」として社割と同じように卸値で売ってくれる機会があるんです。
定価の半額ぐらいの値段で購入できることが多く、新作がそんなお得なら嬉しいですよね。
「でもどうやって展示会に潜入するの??」
と思った方へ、いくつかの方法を紹介すると、、、、
・ブランドの関係者と仲良くなって展示会に呼んでもらう。
・取材や営業など、取引先としてブランドと接する機会を作る。
などがパッと思いつく方法です。
特に取引先としてブランド側と接するのは有効な方法です。
フラワーコーディネートをしている方なら、展示会のディスプレイを任せてもらう。
飲食業なら展示会のケータリングを営業してみる。
などなど、自分の仕事とブランドが繋がる方法を考えるだけ。
そうやってブランドの担当者さんと接する中でブランドのファンであることをアピールすれば「個人買い」として割引価格でオーダーさせてもらえる機会も十分にあります。
サラリーマンの方にはちょっとハードルが高い方法ですが、自営業やフリーランスで仕事をしている方なら使える方法だと思いますよ。
社割はアパレル業界の醍醐味
なぜ、他の業界よりも平均的な給料が低くてもアパレル業界で働き続けるのか?
その答えのひとつが社割で安く好きな服が購入できるからなんです。
ファッション好きの方ならこの気持ち分かりますよね。
好きなブランドに囲まれて仕事ができ、そして服も安く購入できるなら辛い仕事だって楽しくできます。
そして
アパレル業界で働いてみたい!
アパレル業界ですでに働いているけれど、もっと上を目指したい!
なんて方は、安くブランド品が購入できる社割の喜びと共に仕事を頑張りましょう。
アパレル業界の新しい仕事を見つけたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
好きなことを仕事にする楽しい未来が見つかるはず!
関連記事: 【ライバルには教えたくない】アパレル業界の転職で登録しておきたいサービス一覧
///////////
ライター:高嶋一行(Kazuyuki Takashima)
tokyosamplesale.com運営者。
現在、ロンドンファッションウィークを中心としたファッション取材記事を執筆しています。
ロンドンコレクションでは累計200以上の会場に足を運んだ経験あり。
ファッション業界の働き方の提案やロンドンファッションについてご紹介しています。
SPONSORED LINK
◎人気の記事はコレ◎
以下、よく読まれている記事をご紹介します。
・すぐ買い物したい!そんなあなたへ簡単に1万円以上稼ぐ具体的な方法。これで新しい服が買える!
・【転職成功法】アパレル業界は非公開求人をモノにすること!
・古着バイヤーになるには?ファッション業界に転職したい方へ「バイヤーの種類」を解説
・【アパレル業界の転職を実話で】僕がユナイテッドアローズの面接を受けたエピソード
お問い合わせ、掲載依頼はこちらにお願い致します。
info@tokyosamplesale.com
ファミリーセール、サンプルセールを開催される方はお気軽に掲載をご相談ください。(無料)